Quux Journal since 2018

自称個人投資家という早期退職無業者のブログ

ビットコインの不安定な輝き

f:id:quux1969:20180225074347p:plain

いまだにビットコインのどこに価値があるのかのコンセンサスは十分ではないと思っています。「ブロックチェーンは革命的発明」とか言ってもブロックチェーン特許使用料としてビットコインが買い上げられることもないし、ブロックチェーンの技術価値とビットコインの価格には何の関係も見いだせません。

PoWに使われたマイニングマシンの値段や電気代が価値の源泉というのが一番納得感はあります。でも、コストがかかれば価格にはね返るという理屈は正しい反面、コストさえかければ価値のあるものができるといのは正当化されにくい理屈です。

発行上限があること、希少価値についても、そもそも人が欲しがるものであることは大前提。暗号通貨が乱立すればするほど「暗号通貨の王様ビットコインなら大丈夫」という気持ちも薄まっていくでしょう。ハードフォークで作られたばかりの通貨がオリジナルより安いのはなぜかという問題も興味深い。違いが少ないのだから、その違いこそが価格の違いであり、暗号通貨の価値の本質が現れそうなものですが、n個の要素の違いが生まれるフォークコインがn種類できたとしても、n元連立方程式が解けて要素の重要度を表す係数が得られるなんて単純にはいかないみたいです。未知の変数は、生存してきた実績(期間)が証明するセキュリティ、開発者コミュニティの質や量、ペイメント適応度、ネームバリューなどでしょうか。

また、どっちにしてもまだ暗号通貨がまだ一階の資産クラスや通貨として認められていないのは、その価値が法定通貨に換算されて計測されるしかないからで、価格変動が大きければ「真のビットコイン建て」での商品やサービスの売買が難しいからでしょう。

真のビットコイン建てとは、ビットコイン建ての価格が一定期間 (一週間でも一日でもいいと思う) 固定されているという意味で使っています。この商品は千円だから、いまのビットコイン価格だと何BTC、という計算をリアルタイムではしないということです。そういう値決めで物を売っていいという人は少ないでしょうが、他者とは差別化された商品 (コモディティなら買い手が暗号通貨建ての売り手と法定通貨建ての売り手のうち、得な方を選ぶことで、売れ行きがレートに振り回されてしまう) をビットコイン建てで継続的に売る人が多くなるなら、ビットコイン法定通貨換算されないで価値を持ち始めることは無理ではないのではないでしょうか。

たとえばオーガニックの希少野菜や特殊素材のハンドメイドアクセサリをビットコイン建て固定価格で売るなんてどうでしょうか。ファンがつき、継続収入が得られるものなら販売価格を法定通貨に換算したときの価格の多少の変動はトータルで見れば問題にならない可能性があります。希少すぎて何度も売ることができないものだと、損得がレートに左右されてしまうので難しいところです。

まあ、ビットコインって元々ビットコインの送付と受取が誰にも邪魔されずに行えるというだけなので、マイニングすることと取引所で法定通貨と引き換えに買うこと以外にもビットコインを得る方法が普及しないと、通貨としてはいまいちなんじゃないでしょうかね。

そんなことを思ったおっさんでした。