Quux Journal since 2018

自称個人投資家という早期退職無業者のブログ

"quux" って何?

このブログのアカウントをはじめ、僕がどこかのサイトでユーザー登録することになったとき、よく使う単語が "quux" (くーくす) です。ハッカー文化、昔の Unix エンジニアなどには少しは馴染みのある言葉ですが、一般人に言っても意味を推し量ってくれることは決してありません。

実は "quux" に意味はありません。「逆に」と言っていいかは分かりませんが、意味がない言葉として逆にコンセンサスが取れています。同様の語として、foo, bar, baz, ... があります。これなら聞いたことあるでしょう? (ほとんどの人はないと確信w)

この性質を逆に利用して、「文書を foo.docx って名前で保存したあと、拡張子を .zip に変更したら、中に入っているXMLが見られるんだよねー」などと言って、foo の部分は自分の好きなものにしてよく、可変であることが断りなく示せるのです。なぜなら、foo, bar, ... には意味がない名前というコンセンサスが (ハッカーの間では) とれているから。docx や zip にはファイル形式を示す意味があります。

で、私が使っている quux は、foo, bar, ... という語がすでにあるというのに、若き日にこれを知らずにさらなる余計な単語 quux を作り出したハッカー、ガイ・スティール・ジュニア (Guy L. Steele Jr.、scheme, Lisp などで有名) に、ニックネームとして返ってきた語であるという逸話と共に知られています。

ハッカーズ大辞典 (Ascii books)

ハッカー英語辞典 (自然社ペーパーバックス)

GLS (ガイ・スティール) の業績からすれば恐れ多いとも言えますが、ユーザー登録時には希望すると必ずかぶる人気の語なので、ミーハー的ですけど、まあいいでしょう。ちなみに The Great Quux (偉大なQuux、もしくはQuux大帝) はGLS本人がまんがや詩を書いたときに添えられているペンネームでもあります。